そんな器ではないらしい/
煙と工場
おれは
自分が
自由ではないので
旅に出た
携帯電話はおいてきた
ノートは捨ててきた
さあ出発だ
自転車のペダルを
漕げば
漕げば
自由が
溢れ出す
溢れ出す
自由はいつしか溢れ出して
おれの中から漏れ出した
漏れ出した自由が
恐くて
恐くて
悲しくて
悲しくて
おれは野宿する予定の
公園のベンチで
月を見ながら
ざめざめと、
ざめざめと
泣いたのだ
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