TOKYO/たもつ
 


何はともあれ
やっとのことでお触りバーにたどり着いた
とにかくここまでの道のりが大変だったのだ
目覚し時計にカミキリムシが巣をつくって
がちゃがちゃ長針と短針を適当に動かすものだから
何時におきるべきかわからなくなるし
朝食だってそうだ
トーストとバターの順番が逆じゃないか、と
あとミルク、とか五月雨式にそんな感じで
困ったことに、「過呼吸症候群の靴を救え」
と書かれたプラカードを持った人たちが家の前でデモ行進をしていて
うちは靴屋じゃない!
と怒鳴ると、
アメフラシの汁!
そうシュプレヒコールを浴びせられる
毎日触りたいわけじゃないんです!
という言葉で威
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