流星の日/瀬田行生
 


どうしてだろうね
こんなに温かみを感じるのに
全然側にいてくれる気がしない

ためいきの数は増える

多分あの人が悪いんだ
あの人さえいなければ

星に願いをかけよう
そんな人の不幸を願うような
祈りを
神様は聞き入れてくれるのかしら

この星に降る一億の星は
きっと
毎日毎晩世界中のあちこちで
落ちたり落とされたりする
ヒトの命なのね

そう

この瞬間も一つ星の輝きが生まれて
もう一方の西の方で
光がその生涯を終える

それに願いをこめ 祈る 私たちは
どう映るんだろう

次に 今晩 星が流れるのはいつだろう
そのとき
私は
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