死に場所/lsd_mdma
 
列が
底へ底へと
交通誘導員に導かれ
流れて過ぎて行く

至福な笑顔の末に
引きつった笑顔を見せながら
そして
強張った笑顔で

そうか世の中は流れていると思ってた

流れていたのは自分で
他人だと思っていた
時間が流れ
時が流れる
空気が流れ
水が流れる
全てが進み
止まらない
交通整理は死ぬまで続く
無限のループ

守るべき法律は無い
卑怯も
隠し事も
曝け出す意味も無い
ただひたすらに歩き
そして歩く

空を見ても道しか見えず
道の前には道が見える
後ろにも道が
四方にも道が
面倒な歩行でも
流れられない人間は
自分の力で歩く
自力で歩く
振り絞って歩く

死に場所は……
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