探し物/山崎 風雅
どこかにあるはずなのに
もう
ないのだと
腰巾着は断言した
そんなことは
ありえない
それぐらいは
わかっているのに
そんなうそを
平気で言うのは
クラスメートに限らなかった
白球は大事にされなかった
また
買えばいいのだと
あの白球が
今でも気になる
探している
そんな僕は
世間とそりが合わない
時々 サビしいけど
でも
確かにあるんだ
泥だらけにはなっているだろうけど
どこかで
待っているんだ
見つけられるのを
今では
スーツを着て
外車に乗ってる
いじめっ子には
どうでもいいだろうな
俺は馬鹿だな
でも
今日みたいに
金色の日差しが街を染める日には
見つかる気がする
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