探し物/山崎 風雅
許されることのない光を
追いかけていた
誰かを踏み台にして息をすることが
器用に生きることだとは
信じたくなかった
胸が気持ち悪くなった
いつまでも流れる雲を
見上げて
それを運ぶ風が
どこから来るのか
誰も教えてくれなかった
そもそも
そんなことに興味を抱くことが
許されないことだったのかもしれない
許されない光は
いつも
慌ててふさがれる
見てはいけないものが
ここには
多すぎるようだ
いじめっ子のクラスメートが放った白球を
いつまでも探すことは
なぜか
許されなかった
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