正体不明の嘘がとても嫌いだ/結城 森士
 
まった人間が憎かった。
仕方ないよ。そんなものだよ。そういうことを言って傍観している連中が大嫌いだった。



言葉が嫌いだった。定義づけが嫌いだった。整理することも順序だてることも嫌いだった。
理論武装しない人間、無防備な人間、弱さをさらけ出す強さにあこがれた。


シェイン・マガウアンが言っていた。
「上品な貴婦人も、道楽者の男たちも みんな来いよ みんな来いよ」
みんな来いよ。誰もかも、全員が、おいでよ。
楽しくパーティー騒ぎをしようぜ。誰もこばないよ。全員、おいでよ。全員、楽しく騒ごうよ。
大好きだった。そういう、人間になりたかった。



何故だろう。
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