正体不明の嘘がとても嫌いだ/結城 森士
正体不明の嘘が嫌いだ。
言葉を並べ立てて嘘をつく、政治家とか、弁護士とか、大嫌いだ。
抽象的だとか、混乱しているだとか、曖昧だとか、定義付け出来ないだとか、そんな、そんなものが大好きだった。
混ざり合うものだとか、整理出来てないものとか、混乱とか、破綻とか、そんなものが大好きだった。
そこに意味があると思っていたし、真実はそこにしかないって思っていた。
モリッシーが言っていた。
「ボクは誰一人として置き去りにしたくない。仲間はずれになんかしたくない」
俺もそう思っていた。誰一人置き去りにしたくない。
整理しているやつが嫌いだった。割り切ってしまっ
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