スピリチュアライズド/結城 森士
に太陽の光が暖かかった
車内の座席から光が差し込んでくる
窓の外の景色を見ると
真っ青な空がだけあった
雲一つ無い
汚れのない
完璧な、空
昔、家族で海に行った
父親の運転する車に乗って
窓越しに
海岸線と空の境界線を探した
あの日もよく晴れていた
姉と波と砂浜と遊んだ
母と幸せの貝殻を探した
父が笑っていた
あの時、太陽は
鮮やかに僕らを
照らしていただろう
海岸線と空の境界線は
鮮明に分かれていただろう
そんなことを
ふと思い出した
独り言が上手くなった
高いところへ行こう
高いところへ行こう
高いところへ行こうよう
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