しっぽものがたり/三奈
さびしいなら
なでてあげましょう
つらいなら
だきしめましょう
ふきげんなら
そっとしてといて
きげんがよくなるのを
まちましょう
きみの「しっぽ」は、いちにちじゅう
こころのなかをうつしだす
あがったり、さがったり
ぼくはそれにこたえるんだ
いいね、しっぽ
いいね、いいね、かわいいね
つぎのひ、おきたら
ぼくにも
しっぽがついていた
むりにわらうことは、
なくなりました
でも、しっぽがさがっていたら
みんなが
しんぱいそうにぼくをみた
やだな、しっぽ
やだな、やだな、みられるの
しばらくしたら、
しっぽはきえた
きみのしっぽは
きえなかった
きみは、のぞんだ
ぼくは、きょぜつした
うん、そう
ただ
それだけのはなし
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