手段と意志/
高橋魚
テーブルの上に置かれた
鋭利なナイフを手にとって
女の子は微笑んで
近くにいた男の子は
それを横目に見て
気付かれないように
徐々に彼女と距離をとって
地球は丸く
彼は再び彼女に会う
自らの意志によって
テーブルの上に置かれた
綺麗なナイフを手にとって
彼は彼女を赤く染めた
テーブルの下には
鋭利な鉛筆が転がっていた
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