ノート(在る)/木立 悟
 


















鳥滴光声
距離もなく
ただ在る


手水原香
数もなく
ただ鳴る


壁もなく窓もなく
ただまばゆく
既に居る


朝になり 壁になり
夜になり 窓になる
他は屋根になり 床はない


土は暗く あたたかく
雨は低く
月になる


足の下の 音のない波
壁をめぐる
波の影


いつのまにか木は
世の外にあり
朝の音をこぼしている


極から極が 生まれつづける
ただ在るものを
うたいつづける



































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