ノクターン/乱太郎
 
歩く
   その線はまっすぐに伸びている
   そう思えるから
   信じてみたい


第五楽章


   月光に濡らされる雫
   躊躇いもなく
   純粋に濾過される無色な水になって
   鳴り止まない響きが
   胸の奥で眠っている湖を探り当てる

   :この静けさは::
   ::::この戸惑いは:::
   ::この落着きの無さは:::
   岩盤の隅に生えている苔に笑われている

   君の風はいつも優しく
   歌声が聞こえてくるようで


    秋の日の一夜
    君が消えることはない

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