夜明けのための即興詩/山中 烏流
 
を隠したことがある
 
 
その日も私は
殴られていた
 
 
 
*AM1:00
 
ほめてほしかった
 
 
ただ、ただ
あたまをなでてほしかった
 
わたしがこどもでいることを
ゆるしてほしかった
 
 
それだけだった
 
 
 
*AM5:00
 
朝の足音がする
 
本音の十歩手前で
それは止まってしまった
 
 
 
本当は、ずっと
覗いて欲しいのに
 
 
 
*AM6:00
 
手を伸ばしてみる
 
温かさの他が分からない
 
 
*AM7:00
 
戸締まりの仕方を思い出す
分からないふりをするのは
いつも、私の仕事だった
 
 
この湖で溺れたら
私は死ねるだろうか
それとも
朝に帰れるだろうか
 
 
 
呼吸の仕方だけでいいから
教えて欲しかった
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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