友よ/松本 卓也
 
草臥れた声を変わらない歌に込め
枯れ葉に乗せて飛ばしたら
果てへと届いてくれるだろうか

鑑みて

猫背を庇って歩きつつ
とうに潰えた不相応さは
もう窓ガラスにさえ映らない

それでも生きているから
お前が作る酒を飲ませてくれ

思い出と現在と未来とを
杯の重さを比べあいながら
ただ酔わせてくれまいか
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