艀/
Etuji
艀はもやい綱をとかれて
沖へと流れてゆく
鴎が舳先をとらえ瞑目して深く思考する
おそらくこのとき
海は世界の涯までも穏やかな波だ
落日が暗い岸辺を輝かせて
静かに情熱が波打つ
艀は再び遠く幻の海を越えてゆく。
戻る
編
削
Point
(1)