終わりなきメロディー 第4話/K.SATO
改造し、西洋風の細かいテクスチャーが入ったベージュ色の壁紙をあしらい、最後に長いテーブルをひっぱってきて居間だった部屋に置いた。軍部はここをA地点における司令部とした。建物の入り口の前には食堂が広がり、端に人の肩幅はありそうなばかでかい鉄のかたまり。よく見るとノブのついたロッカーで、所属する班の荷物置き場だった。自分の名前が書かれたプレートの貼ってある小扉の前に立つと、胸ポケットから束ねたキーを取り出した。一番小さなものを選び出し、カギ穴につっこんでひねった。引っ張るとガチャという音がしてなかが開いた。人一人入れそうなほどに巨大な灰色のスペース。ああ、これはここに来たばかりの僕が見た風景だと、四角い空間がなんとなく懐かしく思えた。
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