不思議な鼻園にモルボルが迷い込んだようです/2012
 
一時間も続ければ後は恐れるものはもう少ない。
その吐瀉物の中には控えめというには自己を主張しすぎている眼球どもが無数にごろついている。
その眼球は自分自身のものなのか、今の自分の気分としてはどうでもいいことだ。ただ自分の中の誰かが発狂しているのだ。自分以外の誰かもまたどこかで発狂しているのだ。俺達は出会う必要があるとは思わないか?出会う、それも瑣末な現象に過ぎないかもしれない。俺達は既に時と距離を超えて共振しているから、既に常に同じ場所で同じように同時に存在しているのかもしれない。俺達は全く同じ存在なのかもしれない。物理的にも精神的にも全く同じ存在なのかもしれない。だから出会うなんてのはむしろ無粋なことで、そうかもしれないと思いつつも、会ってみたいとは思わないかい?
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