眠り姫の冬の朝/緋月 衣瑠香
気がつけば
柔らかな布団が体を包みこんでいる朝
遠くから聞こえる踏み切りの音
肌寒い朝の目覚めは私を憂鬱にさせる
嫌なことを思い出させる季節、冬
雪の如く心に降り積もり熱を奪っていく思い出に
再び目を閉じたくなる
未だ布団と一緒に包まっている
ありがとう、好きでしたの言葉達
面として伝えられない自分に苛立ちを覚える
でもその言葉は本心
あなたが支えてくれたから私がいる
ありがとうなんて言葉じゃ言い表しつくせないぐらいの感謝をしてる
そんなあなたの優しさが嬉しかった
あなたを強くつよく愛していた
でも私は愛することから逃げた
愛すること、愛されることに恐怖
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