散秋/唐草フウ
 

りんりんりん
秋の夜空からおちてくるのは
おうぎの、おうごんの
しゃんしゃんしゃん
セル画のごとく、ぱらぱらら
「今宵はたけのこごはんだよ」

しゃきしゃき
夜の秋は長いなんて
うそでしょう
短くてねむくなって
しぐれてしまうから
いつきてしまうのか 夜明けがわからない

落ち葉がおかねだったらなあ
そう思いながらげんかん先を掃く
花びらも落ち葉も
同じおもいで散るのかなあ


また生まれてくる春のために


寒々しいなかでうれしいことを考えていたい
くらやみの入り口で
これから冬という山のとざんぐちで
むかしを少し思い出したりしながら

ふゆがふりそそぐよ
あきが舞っているよ
また生まれてくるときのために




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