磁石の月/
カンチェルスキス
きみとぼくは
泣きながら
ダンスを踊り
磁石の月に
吸い寄せられる
空の終わりに
ぼくの汚れた靴と
きみの破れた
ドレスの裾が
消えて
街は
厄介者を追い出したように
静か
みな 枕のうえ
夢の中
読めない文字を読む
ぼくときみは
磁石の月に
居場所を決めて
望遠鏡で
覗かれようが
もう落ちることのない
生活を楽しんだ
月光のした
小豆色の屋根
手品師が忘れた
シルクハットの中で
小鳩が眠ってる
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