いらだつ祝日の、/たりぽん(大理 奔)
 

(暗い、くらいと
 ペットボトルを噛みつぶす響き)

クリック感の強い部分を
組み合わせて伝えようとする
瞬く、赤い
待機電灯の暗がりで
水槽のような
窓に浮かび上がるのは
存在の影絵
熱帯魚じゃないから
汗ばむ手のひらで
とどめようとしてしまう

言葉でつなぎ止めるものは
ことばより重くはなくて
手のひらが汗ばむ距離で
つかむもの
それが正しくても
間違っていても

知りたいだけ
暗闇でつながっている
言葉だけのあなたにも
汗ばむ手のひらがあって
だれのものでもない
名前と匂いを

知りたいだけ

(暗い、くらいと
 ペットボトルを噛みつぶす響き)



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