昨日は孤独な世界?/錯春
年たらしめる要因を、自らの手で絞め殺そうとしているのだ。
(しろつめくーさーの、はながさいーたら、さぁ、いこーぉ、オスカール。アンドレー!!……違うか)
鼻歌を歌いながら、一人道を歩く。
都会では鼻歌を歌えない。
他人との距離が近すぎる。
ヨウイチは、人口は飽和した都会とは異なった空気に、知らず知らずのうちにハイになっていた。
それでなくても、今の彼はアップダウンが激しい。
すべて貢献したつもりだったのに、そう思っていたのは自分だけだと知ったからだ。
(好きと言われたから好きっていって、たずねられたことにはすべて望むとおりに返せたと思ったのに、いきなり切れるんだもんな)
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