昨日は孤独な世界?/錯春
 
な)

「うんざりなのよもうやめてそうやってあなたがこたえるたんびにアタシはすりきれてせかいにさらされるのよこたえなくていいのにほんとうにばかなんだから」
少しアルコールが入った彼女は、涙も流さず一息でそう言った。

少年期の終り。
(うかがいしる能力が長けていることは、大人の証ではない)

いつしかヨウイチは、周囲を樹木で囲まれた土地に出る。
目の前には沢山の腕輪のようなモノが詰まれて、山になっている。
(それらの色は様々で、ざっと見ただけでも24色の色鉛筆はくだらないくらいにある)
ヨウイチはそれらの一つ、水色のモノを手に取る。
雨で湿ったそれを、山の頂上へと投げる。
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