緩慢する海の響鏡にして/mizu K
 
さぐものをつき抜けるほど
外海のように荒れ狂うことだ

夢とおもうたことが、あったので
それはやはり
夢であろうか、からくれないに
夢であれかし
水平線がうたう
今日も血が流れたよと
うたう、うたう
知的障碍者に爆弾をもたせて
遠隔で起爆したって
ナイフ片手に歩行者天国を
走り抜けたって
水平線がうたう
その一帯は無数の軽石漂う海、です
それから

今日も
レジカウンターは無人です
レジカウンターは無人です
レジカウンターは無人です
その響きだけが
こだましている

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