トビーの旅/ようちゃん
赤い大地にさいなまれ
トビーは今日も歩き出す
太陽(ひ)に焼かれた赤土で
トビーの足は水ぶくれ
それでもトビーは歩きます
隣の村の井戸に向かって
村へ続く一本の道
わきにはヒースと痩せた牛
大きなサボテンのとげが
チクリとトビーのほほをさす
それでもトビーは歩きます
隣の村の井戸に向かって
頭に担いだ水ガメは
ずしりとトビーを押しつぶす
村の井戸の帰り道
カメはずっと重くなる
トビーは神の子、大地の子
彼の肌は大地(つち)の色
けれどもトビーは忘れてしまった
大地の真ん中で踊ることを
隣の村で水をもらった
茶色と黄色
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