夢/びわ
 
明りをくれました。他のコたちも袖をひっぱりました。
畳の上のクローゼットはカラになりませんでした。
個室は暗い便所でした。変な形の広くも狭くもない便所でした。
洗濯機と洗面台は今朝は使われへんかったみたいでんな。
真ん中にダンボールの箱が一つ。あれを一体どう使うのかはわからない。
芋虫は帰ってきませんでした。
私はどうして良いのかまったくわかりませんでした。彼もどうして良いのか解らないようでした。
時間がやってきた証拠です。
服は脱ぎました、でもその後が変なんです、あたしたち踊りだしたんですから。
大量の光はカーテンのないあみ戸からふりそそいでいました。
あたしは頭の中で踊りながら布団から這い出て、トイレに行きました。ダンボールはおいていなくて、洗濯機も洗面台も朝から水浸しでした。
朝御飯を食べて、虫かごに向かいました。
さなぎになったばっかりの芋虫はいつかは蛾になることでしょう。
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