夢/びわ
 
それは口付けでしたように思う。
唇は芋虫だったけれど。
山田詠美の芋虫のように、飛び立たないことはあきらかでした。
となりの部屋では現社の木野がみんなの書いた詩を批評していました。
私のは才能があるんだそうです。
やっぱり教師というのは専門外の仕事をするものではないなと思いました。
唇は音を立てて離れました。それは今でも続いていますが。
彼は国語の若松でしたが、大きなハラの中に入っているのは売春宿のダンナでした。
客はクローゼットの中から選ぶようです。
青いカスリの袖をひっぱるとさえない若者が出てきました
とても恥ずかしそうだったので私はうれしくなりました。
あみ戸は少し明り
[次のページ]
戻る   Point(3)