仮夢夜/なかがわひろか
 
だ、と
認識、理解
それらを分けていた違いは
ただの概念と化す
人間
動物

押しつぶされたそれらは
ニンゲン
ドウブツ
ムシ
もはやただの文字の羅列
違いない
結局はそのようなものだったんだ
そこにあったもの
家族は愛
愛は暴力
暴力は孤独
永遠なる数珠繋ぎ
永遠の
そう
私は
安心
それでいい
それならば
私も後悔はないよ

(「仮夢夜」)

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