絶叫/こしごえ
ちいさな死骸を排水溝へ流す。
おまえは、透きとおる水晶のようにきず
をかかえてそこを流れてゆくのか
哀しみに囚われたひとつの流れを
純粋無垢なひとみがこおりついている
このこのちいさなむねは、いまなにを
直視している
叶えられなかった無言の叫び。
朝の光に
いつくしみに
この限りある、生命に
礼を尽くそう
(さようなら)といまのわたしをみつめ
お風呂掃除は終り。
流れ去ったものが
ふたたび降って来る時があれば
再会の沈黙を晴れわたる
雲の上
日輪の咲きほころびる
このこがことばを失った日は、
しずかな雨であった。
偽りは偽りを呼ぶ
である
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