神様のハンカチーフ/にゃんこちゃん
さぁ
おいで
出来る事から探せばいいさ
ゆっくりと確実に
手渡したいものがあるんだよ
この詩を捧げたい
いま、まさに家を出ようとしている人に
あるいは
故郷をすでに捨ててしまった人に
掬い上げた水が、指の間から
こぼれるように
なにもかも
なくなってしまった人に
そうだよ
この詩を読んだら
神様が
心のなかに、そっと
ちいさなハンカチーフを置いてくれる
きみのとめどもない涙を拭くために
きょうはそっとおやすみ
眼をまっかにして泣きはらす
そうだね
我慢は禁物だ
泣くだけ泣いたら
あらたな自由をめざして
出発だよ
神様のハンカチーフ
こわれそうな愛のために使うもの
まっすぐな孤独の涙を拭くためのもの
満たされた心には使えない
ちょうど
迷子になって泣きじゃくる子供を
母親が必ず
見つけだすように
神様には聞こえるんだ
あたたかな
きみの涙を
そっと
ふくために
さしだされた、ちいさなちいさな
ハンカチーフ
神様のハンカチーフ
手渡したいんだ
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