青いキリン/ようちゃん
おそらく
だれもなんら関係のない所に
夜のキリンは住んでいる。
林の隙間から
青い光がぽっともれるのをみて
月が恋しいとなく
センチで風変わりなキリン。
恋しいと鳴いているうちに
体まで青くなったキリン
月明かりが
夜の色をキリンに照らしていたせいだろう、
奴は黄と茶の水玉模様を失った。
声も細くて
遠くまで響くようになった
あのだみ声が嘘のように
今は風のこだまとなって雪原を響く
月にはとどかないがね。
奴はさながら歌っているようさ
妖精のように
時折
馴鹿を追いかけるエスキモーが
奴に出くわして驚くのさ
いや、
正確には
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)