魔法/mac
 
は無いようだ

では魔法はどうだろう
呪文ひとつで10メートルぐらい進まないだろうか

僕はありったけの呪文風の言葉を唱えてみるが
全く何も起こらない

ポーズが悪いのか声が小さすぎたのか
はたまた時間が向いていないのか

もしかしたらあの角を曲がる瞬間がいいのかもしれない
そうだ、そうに違いない

その角を曲がる瞬間、
ポーズもきめて呪文も叫び
僕は目を閉じた

そうしたら背中にスウッと風が吹いた

僕は期待した
多分僕はかなりワープしているはずだ
どの辺りだろう
家を通り過ぎていなければよいのだが

僕はそおっと目を開けた

確かに家は通り過ぎていなかった
でもちいっとも前には進んでいなかった

やっぱり呪文を間違っていたらしい
ちょっとした間違いだと思うんだ
多分、ちょっとしたきっかけで

いつか偶然が揃ったら

今でも僕はそう思うんだ




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