魔法/mac
小学校の帰り
明日休みだからファイルを3冊も持ち帰るので
ランドセルがすごく重い
体操服も給食着も手提げに詰まっている
ほんの数十分の家までの道程は
まるで荒野の真ん中で見る地平線だ
水筒の、朝凍らせたお茶は既に底をつき
足の重いのを引き摺り電信柱を過ぎる
次の電信柱までは頑張ろう
荷物は降ろさずに歩いてみよう
僕はつらい歩みの中で色々な想像を湧きたててみる
僕がすごい超能力者であったならせめて
あの電信柱まででいいから瞬間移動したい
僕は目を閉じ足を止め必死に念を送ってみる
だが残念な事にちっとも前には進んでいない
僕にはそういう才能は無
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