解凍パニック/木屋 亞万
って流れた
辺りは水浸しになって、どれが自分のかわからないくらい大量の記憶
マンモスは暴れた、直線を重視して作られた建物を次々に歪めた
歪曲していく鉄筋や倒れていく壁がとても嬉しそうに崩れた
私の中で死んだも同じの、二度と会わない友人達が雪崩のように校舎を走り
嘘に塗れて鳴りを潜めていたトラウマがどこかの教室で叫んでいた
高層の学校はばたりと倒れた、屋上のすぐ目の前には港の波止場
屋上のバスケットゴールもベンチも意味を持たなくなった
マンモスたちは学校を飛び出して、行列を作り海の中へと消えていった
学校はガランとしている、作業員も子どもたちもいないからだろう、急に静かだ
横倒しになった学校を見て、私は
やはり校舎は横長の方がいいなと思った
戻る 編 削 Point(0)