ぼろぼろのつばさ 3/青色銀河団
 
ひらいた




[秋]

耳をすましてごらん
遠い恋は
かすかな音楽なんだ




[夏]

永遠の夏が
あればいいのに!




[春]

すれちがう星のあなたを
見上げながら野辺にたたずむ
あたしは透明な春の猫




[冬]

みえない鬼が
凍りつく
悲しさのあまり




[秋]

破れた包帯を
染める
天使の夕陽




[夏]

あおぞらの
かなしみが
まぶたにしみる




[浜辺]

空っぽの空だけがあった
ぼくはポケットに手をいれ
ぼくが生まれてきた理由を
たくさん数えようとした




[風]

淋しい人は罪人です
街のなかで
島流しにされているのだから




[海]

さがしにきてごらん
貝のなかに
ねむっているのは
愛なのですよ



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