火傷/ホロウ・シカエルボク
固く握りしめた
拳をぶつけあうような
ギラギラした発芽だった
街をなぎ倒すような
雨が降り続く深夜
裏口からもぐりこんだ
潰れた小さなブティックのフィッティング・ルームで
言葉はすべて
雨音に喰われたから
俺たちは
躍起になったんだ
爆撃のような騒がしい深夜
おまえは唇を傷つけ
俺はひどく肘を打ちつけた
うっすらと血が滲むほどだったけど
痛みなんか気にもしなかったんだ
すべて鋭利で、すべてが直線的に
あらゆるものが降り注ごうとしていた
それらが引き起こす現象の
俺たちはささやかな一部だった
雷鳴のように
何かが脊髄を貫き
「生まれてきてよかっ
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