小詩集【かなしみ】/千波 一也
 
やってぼくら、
まざり、あうんだね

わかるかい、

きみのとけいが
かたるもの
わかるかい





二 あめかんむり



あめを
かぶるひとたちは
おうさまとして
こわいことばを
あやつります

わがものがおで
わがものがおで
うそもほんとも
とびこえます


とうのむかしに
そらがなげだした
かんむりを

いまでは
だれもしりません


あめを
かぶるひとたちは
そのおうこくに
みをつくします

うたがいもせず
うたがいもせず
まぼろしかもしれない
かんむりを
そっと
のせて

のせられて

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