黒点/石畑由紀子
指組みのように身体を絡めゆく 二人で今日の夜空をつくる
ひとつずつ舌でたどれば直列の熱に融かされてゆくビイドロ
「ねえ、君にアイスピック突き立てたらブラックホールができたの、夢で」
指先でのぼりつめてくホウセンカ声としなってぜんぶ、弾けた、
いつかの血飛び散っている左胸 君は眠らぬさみしさに咲き
積もる、夜は空耳ばかり 太陽を見つめたあとの死角にも似て
身を守るすべを知らないアルビノのままに痛みを抱きしめている
どのひとも愛でた谷間の黒点が薄れ消えたとき君と出逢った
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