二/木屋 亞万
 
らどうでもいい
桃子と緑のどちらを好きかなんて論外
どうでもいい
選択なんて、できない
どっちも素晴らしいし、どっちも届かない
採れない葡萄を見上げて
俺は左だ、なんて言いたくはない
どっちも酸っぱいに決まっているとも言いたくない
どちらも甘そうだと言いながら
どちらかを決められないでいて
あの葡萄は本当に生きていて
実在している葡萄なのだろうか
なんてよくわからない問いを発している方がいい

そうやって下で待っている間に
ひと粒でも落ちてこないかと
待っている
例えば、おはようの一言でも
燈籠が原子核を爆発させてしまうくらいの
熱エネルギーになる
洟垂れ坊主を卒業できる日を夢見て
カフェ寺スはどこの宗派だろうと
想像してみる
除夜の鐘が聞こえる
108は2で割れる

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