二/木屋 亞万
 
必ず
二人同時に好きになる
胸がときめく
最大人数は二人で
最小人数も二人で
どちらがより好みか
考えているうちに醒めてしまう
おいおい
どっちでもいいじゃないか
脈がありそうな方にいってしまえ
と無責任な内なる自分はへらへらしているけれど
どちらも脈がなさそうで
枯れ川なのか、臨終なのか
まあ何にせよ
脈の取り方もわからんのです

少し距離を置いて
燈籠のような存在感でもって
さりげなく様子を窺ってみるのだけれど
燈籠がカフェテラスにあると不自然なように
自分も自分の庭から出ないまま
カフェテラスというのはどこのお寺ですか
なんて自問不答しているうちに
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