自由意志と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる7/もぐもぐ
〜された」という意味での受動態である。だが、これだけに限定されるわけではない。意識の受動性には、同時に、「自ずと〜される」という意味での受動態が含まれている。私は、意識を勝手に「外から与えられ」ると同時に、自分から、「自ずと」そうも感じる。受動態は、意識が、私のイニシアティブでもあり他者のイニシアティブでもあるという、両義性を上手く指し示している。
レヴィナスは、この受動態の両義性を、私と「他者」との結びつきの証左と見る。或いは、私は自分の内に「他者」を孕んでいる、とそう捉える。(終局的には、これは「強迫」としての他者(意識にとっての壁という意味での他者)、或いは「感受性」(身体)としての私なの
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