呟きにすぎず/
生田 稔
隣のおじさんが
動いている音
階段を上り
こんこんと何かを打つ
僕も一人でないことを知る
午前7時半から一言も
発言してない
午後5時7分前
心の中で今日も言い続けた
6時ごろ妻が帰ってくる
いつもニコニコして、それまで我慢する
だがこの一生に何の意味があるのか
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