余計なものを連れてくるから/ホロウ・シカエルボク
かにその声には聞き覚えがあった
「久しぶりだね。」
高校の時に同じクラスだった女だった
彼女は時折誰にも理解出来ない行動を取ることがあって、それで誰からも敬遠されていた
勿論君だって彼女は苦手だった
ねえ、○○君、と彼女は君の袖を引いていた、まるでずっと昔からそうしていたように、君は彼女の手を取ると
ありったけの力で横っ腹を蹴りつけた、考えるより先にそうしていた
ぐ、ぐう、と女は声を上げた、それからもう一度君を見てにこりと笑った
「ねえ、久しぶりだよね。」
君は呆れて彼女の腕を取り、引き起こした、一部始終を見ていた数人の男と女が、「訳が判らない」という感じで去って行った「そうだな、久しぶりだな。」
「変わってないな、お前。」
戻る 編 削 Point(0)