余計なものを連れてくるから/ホロウ・シカエルボク
 











デリバリー・ピザのスクーターがどうしようもないエンジン音を響かせて街路を乱暴に駆け抜けるとき
君は安物のアルコールの酔いに侵され遅れた右足にイラついている
何の用途も無いのに右手に握りしめたままのお気に入りの携帯電話
笑ったままで死んだ誰かの遺影の様
前時代的なデザイナーズ・マンションの屋上で濡れた記憶
アドレスと一緒に触れる理由の無い淵まで逃げて行ってしまった
あの頃流行った歌を覚えているかい?口当たりが悪い分今のチャートよりもリアルだったね
すでに営業時間を終えてシャッターを下ろしたショッピングセンターの控えめな電光掲示板
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