繋ぐ/高橋魚
 
すーっと長く伸びる道を
ぼーっとしながら歩いていたら

見たことの無いおばあさんが
垂れた目尻で微笑んで
知らないうちに 僕の手を取っていた

とても可愛い笑顔だった


手を繋いで青空の下
柔らかな静寂に包まれて
二人平和を楽しんでいた

楽しんでいたはずなんだけど


急に老婆は手を離し
青空はどんどん僕から離れていった
僕は穴に落ちたんだ


穴の表面を通過するとき

老婆はほくそ笑んでいた
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