記憶の埋葬/猫のひたい撫でるたま子
 
これは埋葬の物語だ

これは私のための埋葬の旅だ


優しくされて引きずって生きるよりも、徐々に失われていくんだ

時間が経つにつれ、
距離が遠くなっていくにつれ、

あなたの傍にいた私は、過去に傍にいた誰かになってゆく

あなたはあなたの時間を生きている

わたしはそれに従うのではなくて、
わたしの時間を生きてゆかなくてはならない

それがどんなに遅くても、相手とは違う生き物になってゆかなくてはいけない


わたしは以前、あなたであった

あなたは以前、わたしの時間をいきていた


傍にいることが重要ではなくて、

顔を見なくても人を愛せる人になりたい

そうあってほしい


記憶にとらわれる、現在のあなたを追い求める

会いにいって、なにを伝えるの?

もう、私たちの言葉は尽きたのだ


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