7/カフカ
 

ハシは木の枝を手で弄びはじめた
「通行人やクラスの連中の顔を見たらさ、みんな死んでるんだよね、そう思わない?、きっと汚い汁にみんな汚染されちゃたんだよ、その汁はいつも僕たちの中に潜んでいて、何か大きな波紋みたいなものが空に広がってその汁の活動を活発にしているんだ」
ハシは木の枝を片手でボキっと折った
「その波紋は僕たち人間が作っているんだよ、どうやって作るか知ってる?、簡単だよいろいろなことを想像しなければいいんだ、それだけ。想像のない世界なんて本当の世界の何百分の1の大きさしかないんだ、そうやって狭い世界に閉じ込もって窒息死しているんだよ」
ハシはもう何も持っていなかった。
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