日曜日は寄り添って/ふもと 鈴
動物を観る人だかりふくらんでどちらも命を生きる不思議と
脱力をカラダに命じているのだと池の端には片足の鳥
蓮の葉は秋の陽広く受け止めてどこかに放つことなく黙る
犬を連れ遠く見つめる老夫あり気にも留めずに人の過ぎ行く
白くまの顔だけぐおんと突き出すを観ているうちに力は抜けて
猿だけは自由に時間を切りさいて檻にいるのも忘れるみたいね
ひょこひょこと足を器用に動かして時間を追い越すアルマジロ
動かずに存在ふわりと突き放すペンギン群れて風の吹きこむ
丘の上の外人墓地から覗きこむ過去も今も混じった足元
坂道をのぼる一歩はそれとなくわたしをぎゅっとつめ
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