透明人間/皆月 零胤
透明なボクの瞳は何も映さないのに
感情は発生して行く先を探し始める
でもいつもどこかの隙間で失くしてしまう
はじめからなかったような
そんな気さえする
ボクの姿のように
せめて言葉だけは届いて欲しいと思う
いつだって
青空の下で発見されることもなく
ボクはゆっくりと風化し続けても
土にもなれないと思う
何の役にも立たない人間
いや人間ですらないのかもしれない
ボクはきっとただの言葉だ
だから
せめて言葉だけは届いて欲しいと思う
いつだって
いつだって
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